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最高裁判所第二小法廷 昭和49年(オ)1052号 判決

主文

理由

上告代理人安藤寿朗の上告理由第一点一、二について

記録によると、上告人が所論の点について自白したものと認めた原判決は、正当であり、原判決に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。

同第一点三について

土地及びその地上の未登記建物の所有者が、建物の取得原因である譲受につき所有権移転登記を経由しないまま土地に対し抵当権を設定した場合であつても、土地競落人は、右登記の欠缺を理由として法定地上権の成立を否定することはできないものと解するのが、相当であり(最高裁昭和四五年(オ)第九八九号同四八年九月一八日第三小法廷判決・民集二七巻八号一〇六六頁参照)、これと同趣旨の原審の判断は正当である。論旨は、ひつきよう、独自の見解に立つて原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。

同第二点について

原判決が適法に確定した事実関係のもとにおいて、所論の点に関する原審の判断は、正当として是認しうべく、また、記録にあらわれた本件訴訟の経過に鑑みると、原審が所論の点について釈明をしなかつたとしても違法とはいえない。論旨は、ひつきよう、原審の認定にそわない事実関係に基づき原判決を非難するものであつて、採用することができない。

(裁判長裁判官 岡原昌男 裁判官 小川信雄 裁判官 大塚喜一郎 裁判官 吉田 豊)

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